Lesson 4-1では、定義に基づいて統計処理を行ったが、 統計処理は良く行われるので、あらかじめエクセルでは関数として用意されている。
コンピュータ上で関数というと数学的な意味での関数だけでなく、ある一連の 動作をまとめたものを含める。
エクセルで関数を入力するには、目的のセルをクリックし、アクティブとした後、 リボンの「数式」タブに含まれる「関数の挿入」か数式バーの左に表示されているアイコンをクリックする。 あるいは、「ホーム」タブの「Σ」アイコンの右側の「▼」をクリックし、「その他の関数」を選択してもよい。
いずれの方法で呼び出しても、次のような「関数の挿入」ダイアログボックスが表示される。
関数の分類をクリックし、「統計」を選択し、表示された関数名リストから「COUNT」を選択すると 右のような「関数の引数」ダイアログボックスが表示される。
その際、数式バーには、入力中の数式が表示される。 慣れてきた場合は、関数をキーボードを用いて入力することも可能である。
エクセルが、範囲を推察できる場合はすでに引数が入っている場合もある。 範囲が間違っている場合や、何も入っていない場合は を クリックすることにより、一時的に入力ウィンドウを隠すことができ、 マウスによる領域選択を行うことが可能になる。
内容が確定すれば、Enterを押すか、OK をクリックする。
Lesson 4-1で、取り扱った統計量には 次のような関数が対応する。いずれの関数も値にはデータその物が 入力されている範囲を指定する。
各関数を用いた結果と、式入力を行った結果が一致することを確認せよ。
統計量 | 関数 |
---|---|
データ数 | count |
平均値 | average |
最大値 | max |
最小値 | min |
偏差平方和 | DEVSQ |
分散 | var.p |
標準偏差 | stdev.p |
母分散 | var.s |
母標準偏差 | stdev.s |
順位 | rank |
STDEV.p
とSTDEV.s
および
VAR.p
とVAR.s
の違いは、与えられた
データの解釈にある。
STDEV.p
、VAR.p
は、与えられたデータを
母集団全体とみなして、その母集団の標準偏差もしくは分散を返す。
一方、STDEV.s
、VAR.s
は、与えられたデータを母集団から
抽出した標本とみなして、母集団の標準偏差もしくは分散を推定する。
エクセル 2007以前では、以下のような関数名で定義されていたが、エクセル 2010以降での 利用は推奨されていない。
STDEV.p → STDEVP STDEV.s → STDEV VAR.p → VARP VAR.s → VAR